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早稲田大学 理工学術院 大学院基幹理工学研究科 材料科学専攻

〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
早稲田大学 西早稲田キャンパス

 堀 綾子 (伊藤研究室 修士1年)

  • 粒子法シミュレーションを使って、ペーストの「ひび割れ」を解析

Q 応用数理学科から材料科学専攻に進学を決めたきっかけを教えてください。
 もともと数学が好きで、高校からは物理にも興味を持ち、大学では両方を扱う応用数理学科に進学しました。今は伊藤研究室で、物理現象に関するシミュレーションを学んでいます。
 やりたかった研究ができているので、大学院はそのまま数学応用数理専攻に進む予定でしたが、もう少し物理の知識を補強したいという気持ちもありました。そんな頃、新しい専攻の話を聞いたのです。「私のやりたいことは、まさにこれかもしれない」と直感しました。


Q 材料科学専攻のどこに魅力を感じましたか。
 たくさんありますが、ひとつは「材料を数理で考える」というコンセプトに惹かれました。専攻の4部門でいうと「数理材料科学部門」です。そもそも私が伊藤研究室を志望したのも、この点に興味があったからでした。一般的に、材料に関する研究は、実験かシミュレーションかのいずれかに偏りがちですが、伊藤研究室では両方学べます。伊藤先生は金属をはじめとした材料の専門家でもあり、なおかつ数理シミュレーションについての最先端の知見もお持ちだからです。
これまで学部での4年間を、数学を学ぶことに費やしてきたわけですが、その学問的なバックグラウンドを生かしつつ、新しく材料について学べるのですから、楽しみで仕方ありません。


Q 伊藤研究室ではどのような研究に取り組んでいますか。
 ペーストが乾燥し、「ひび割れ」を起こす現象を研究しているのですが、今は「粒子法シミュレーション」を理論的に勉強しています。粒子法シミュレーションは、流体の動きを解析する流体シミュレーションの一種で、複雑な変化をより正確に捉えることができる新しいシミュレーション方法です。実際の解析にはハイスペックなパソコンが必要なのですが、この点でも研究室は恵まれた環境にあると思います。
 文献を一通り読んだあとは、モデルを作って、シミュレーションを行う予定です。シミュレーションがうまくいったら、次は実験を行い、モデルが実際に正しいかを確認します。ゆくゆくは、いろいろなもののひび割れを予測できるモデルに発展できたらと思っています。



  • 構造を数学的に解析し、材料に新しい視点を

Q そのほかに、材料科学専攻でやってみたいことはありますか。
 材料のなかにある構造を数学的に解析することにも興味があります。たとえば、物質の形と数学的な形とを関連させて、物質的な構造をトポロジーや幾何学的なことに関係できるのではないかとか、数学の空間図形を材料に応用できるのではないかとか――。そんなことに思いを巡らすこともあります。純粋数学を専門とする先生も授業してくださるので、より深く学び、材料と数学との関わりや、材料を数学的に見る視点を根本から考えてみたいです。

Q 材料科学専攻にはどのような学生が向いていると思いますか。
 材料系に関わる研究をやってみたいという学生はもちろんですが、それ以上に新しいことへの興味や好奇心が強いひとが向いているかもしれません。通常、大学院まで進学すると、一つの専門分野に収まりがちですが、新しいコンセプトで創設された材料科学専攻には、物理、化学、数学、情報系など多様な学問的バックグラウンドを持った先生方が集まっています。その先生方に教わりたい学生たちが志望するでしょうから、学生たちも多様です。このような環境では、きっと良い刺激が多く、新しい発想も生まれやすいと思います。また、そんなふうに、いろいろなことに興味を持って学ぼうとする人と一緒に研究したいです。

Q 最後に、進学を考えている方にメッセージを。
 早稲田は実験装置も施設も、何不自由なく存分に使える恵まれた環境です。また、気さくで庶民的な大学ですし、そもそも人数が多いので、誰でもオープンに受け入れてくれます。他の大学出身でも、留学生でもきっと歓迎されますから、興味があったらぜひ来てください。一緒に学びましょう。




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